第28章 大好きを伝えたい
葵は学校に着くなり朝から国見の事で落ち着かずソワソワしていた。
「澤村さん大丈夫?心ここにあらずって感じだけど。」
隣の席の国見が心配そうに声を掛けた。
「へっ!?う、うん!大丈夫だよっ。気にしないで!」
葵は慌てた様子で国見に話した。
(気にするなって言われても、朝からこんな調子だし……)
国見は様子がおかしい葵を心配していた。
お昼になり
葵の席に友達の綾と由香里がやって来る。
葵はお弁当とラッピングした袋を出すと
「葵お菓子作ったの?」
綾が袋に気付き聞いてきた。
「うん!初めて作ったんだ。二人にも食べて貰いたかったから持ってきたの!」
葵は嬉しそうに話す。
「何作ったの?開けていい?」
由香里は袋の中身に興味深々で開けようとした。
(中身バレちゃう!)
「由香里には悪いけど後のお楽しみっ!」
葵は由香里から袋を取り上げた。
綾は国見の視線に気付き
「ねっ、葵?お隣さんには用意してないの?欲しそうに見てるよ?」
葵に小声で話した。
葵は国見の方を見ると目が合い
「国見くんには後で渡すね!」
葵は照れながら話した。
「うん。楽しみにしてるよ。澤村さんお昼いってらっしゃい!」
国見は葵に向けて小さく手を振り、
葵もそれに応えるように手を振り
返した。
それを見ていた葵の友達は
ラブラブだとキャッキャ騒いでいた。