第26章 変わらなくていいよ
呼ばれた葵は少し戸惑ってしまう。
「葵?さっきの事気にしてるんだろ?何もしないからこっちにおいで。」
大地はいつもと変わらない表情で話す。
葵は大地と少し離れて座った。
葵のその行動に大地は苦笑いをして
「……やっぱり気付いたよな……本当はずっと隠し続けるつもりだったんだけど……俺もね葵の事好きだった……勿論妹じゃなく一人の女の子として……」
ゆっくりと葵へ対する気持ちを話した。
葵はただそれを黙って聞くことしか出来なかった。
「俺はもう葵の事を今まで通りに接することは出来ないけどさ、無視するつもりは無いし、葵は変わらずに俺に接して欲しい。相談にものるし、勉強も教えてあげる。兄貴としてね。……葵は俺の事避けようとしてたでしょ。」
「……うん……どう接すればいいのかわからなくて避けようとしてた……ごめんなさい……私はいつも通りに接していいの?」
「ああ。いつも通りに接していいよ。でも、わかっていると思うけど俺には前みたいに甘えちゃダメ。その代わり、国見にうんと甘える事!わかった?」
「う、うん。甘えるのは国見くんにするね。」
「葵告白頑張れよ。」
「うん!お兄ちゃんありがとう。告白頑張るから!じゃあお兄ちゃんお休みなさい。」
葵は部屋に入った時よりも
スッキリした様子で出ていった。
(葵が以前と変わらずにいてくれて良かった……何も変わらないのに何か失恋した気分だな……)
大地は安心しながらもため息をついていた。