第19章 消えない跡
二人は体育館へ戻ると岩泉は練習に戻り葵は午後からの練習試合で使う
スコア表を作っていた。
お昼ご飯も終わり
お昼の休憩時間
及川は岩泉と話をしていた。
「岩ちゃん!葵ちゃん普通に戻ってたね。葵ちゃんに何か言ったの?」
「別に何も。泣いたらバレるから泣くなとは言ったけど。つか、お前さ葵の事、本当は好きだったんだろ。」
「……何でそんな事思ったの?」
「昨日のお前、何か空元気っぽかったから。葵にあんな事したのはお前なりに身を引く為だったんだろ。その事葵に言ったから。……お前の葵への気持ち間違ってなかったよな。」
「……なんだ。岩ちゃんには全部わかってたのか。何で葵ちゃんに言うかな。あんな事したのに話したり近寄って来るようだったら¨今度は犯すよ¨って言うつもりだったのに。もう言えないじゃんか。」
「お前そんな事言うつもりだったのかよ。鬼畜か!」
「そこまで言ったらもう話さなくなるでしょ。俺はもう葵ちゃんとは話さないって決めてたんだよ?でも岩ちゃんが余計なお節介してくれちゃってさ~。」
「まぁ、葵に嫌われたまんまでバレー部引退とかよりはいいだろうが。」
「……まぁ、良かったって思っとくよ。…………岩ちゃん、ありがとね。」
「お前に礼言われるなんて思ってもみなかったよ!」
「はぁ?俺ちゃんと礼位言えますけど!?
俺はそんな薄情な男じゃないからね!」
「それくらい、わかってるつーの!」
岩泉は及川の背中を思いっきり叩いた。
「痛っ!岩ちゃん少しは手加減してよ~!」
「誰が手加減すっかよ!」
岩泉はニッと笑った。
(やっぱり岩ちゃんには隠し事出来ないなぁ。)
及川は改めて思った。