第19章 消えない跡
「…………嫌われる覚悟であんな事を……
……及川さんに好かれていたなんて………
…知らずに……私……及川さんの事……
傷つけていたんだ……」
葵は岩泉の話を聞き、無意識に涙を流していた。
「葵が気にする事じゃないよ。
葵はさ、国見の事が好きになったんでしょ。」
「……うん。」
「だったら国見の事だけ考えてな。
及川も昨日で葵の事吹っ切れたんだと思う。
だから、及川に余計な事はしないほうがいい……わかった?」
「……はい。わかりました。」
葵は涙を拭き答えた。
「じゃあ、もういつも通り仕事出来るか?」
「はい。もう大丈夫です。」
「俺も手伝うから早くドリンク作るぞ!」
「あっ、はい!」
葵と岩泉はドリンクを作り終わり
体育館へ向かう。
「……葵、もう普通に出来るよな。泣くんじゃねぇぞ。」
「はい!岩泉さんが励ましてくれたので大丈夫です!」
葵はニッコリ笑った。