第16章 岩泉の助言
暫くそんな話をしていると
「澤村さん、お風呂どうぞ。」
国見が声をかけてきた。
「あっ、国見くん!あっ、ありがとう!」
葵は真っ赤な顔になりながらもちゃんと顔をみて話した。
そんな葵を見て岩泉は
(その調子で頑張りな。…………及川には二人の事邪魔するなって言いたい所だが……アイツに言うと逆にちょっかい出しまくりそうだよな。)
そんな事を考えていた。
「岩泉さん、話聞いて下さってありがとうございました!お風呂入って来ますので失礼します。国見くんもまたね。」
葵はそう言って部屋を出ていった。
部屋には岩泉と国見の二人だけ。
「………葵と何話してたか、知りたそうだな。」
「……はい、知りたいです。」
「話してたのはお前の事。」
「えっ、俺の事ですか?」
「話の内容は言えねぇけど、別に悪口言ってた訳じゃねぇから気にすんな!…まっ、頑張んな!」
岩泉はそう言って国見の背中をバシッと叩いて部屋を出ていった。
一人になった国見は
(岩泉さん何で俺の事応援してんだろ……)
葵と岩泉が話していた内容も気になるがそれ以上に岩泉の励ましを不思議がっていた。