第16章 岩泉の助言

「あー……さっき及川か国見の事考えてるのかって聞いたとき葵黙ったじゃん。だからどっちかの事だろうと思って。及川とは普通に喋ってんもんな？」



「………………」



「図星だからって黙んなよ！……国見とは意識してるから話せないんだよな………葵の事だ、上手く話せないからって国見の事避けてたんだろ？」



「……はい…避けてました……さっきも国見くんに避けないでって言われたばかりで…」



「それは止めておいたほうがいいな。別に国見にさ、意識してるって気付かれてもいいじゃねぇか。面と向かって話してみな！」



「本当に意識してるって気付かれてもいいんでしょうか……」



「いいんじゃね？ひょっとしたら国見がコクってくるかもしれねぇよ。」
岩泉はそう言ってニヤリとした。



「………告白かぁ……」
葵は暫く考えて込んでしまった。



「葵どうした？」
急に考え込んだ葵に岩泉は声をかけた。



「………岩泉さんだったら、告白するほうと告白されるほう、どっちがいいですか？」
葵は岩泉に突然聞いてきた。


「なんだよ、いきなり。…んーそうだな……俺は告白するほうだなっ！告白されてもさ、好きな奴だったら嬉しいけどそうじゃなかったらなぁ？」



「何とも思ってない人から告白されても困っちゃいますもんね！」



「まぁ、及川は別だけどな。アイツは自分で追うより追われるほうが好きだから。」



「そうなんですね！……やっぱり人によって違いますね。」
葵はそう言って笑った。