第3章 火照るりんごの見る夢は。

ふ、と彼から笑みがこぼれた。

あまりに優しい笑い方に、私の心臓はまたドキッと音を立てる。


｢……あの、それ………………俺も、だったり…………します｣

『へ……？』


目を見開いた。
結構恥ずかしくて、病人の彼にこんなことをいきなり言う自分が情けなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

でも、あんなこと言われたら……





“勘違いします”


……して欲しく、なっちゃったんだもん。

それが私の本心でもあるんだから。




だけど、

その返事は“ごめんなさい”だと思っていた。



なのに彼は、笑っていて｢俺も｣と自分の方を指さしている。



｢俺も、椿さんに一目惚れしたんですよ。最初CD拾ったときはそうじゃないなって思ってたんですけど……なんか、その……いろいろと心情に変化が……あって｣


照れくさそうにそう言う月島くん。
そんな彼の姿に、私は胸がきゅーっとなった。