第1章 君ノ背中。[☆]
キスをしながら、彼女が着ているシャツのボタンを一つ一つ外していく。
服を脱がされていることに気づいたのか、彼女は咄嗟に抵抗した。
細い、力のない腕で。
『……もうっ、恥ずかしいから…………ゃ……めて……』
「ヤダって言ったら?」
心の中でごめん、ごめんとつぶやきながら、出る言葉はこんな意地悪するようなことばっかり。
僕は、いつからこんな自分の欲望に忠実になったんだろうか。
――それなりに想像はつくけれど、確信なんてない。だけど、彼女が関わっているということだけは明確にわかる。