第1章 君ノ背中。[☆]
「月島くんっっっ!!!!!!」
「え、……何?」
昼休み。
とある女子が僕の目の前に立っていた。
ヘッドホンを付けていたから気配に気づかなかったが、彼女の甲高い叫び声に思わずびくりと体が反応する。
……身長は谷地さんと同じくらい、もしくは少し高いくらいの小柄な女子。
肩につくくらいの黒髪をさらりと揺らして、僕の目の前に立っている。
――こんな人、クラスにいたっけ?
『私、2組の椿華楓っていいます!』
『私と付き合ってもらえませんか!!!!』
――……は?
なにそれ………………