第6章 サプライズ 【緑間真太郎】
緑間side
「おい!早く起きるのだよ!!」
俺は大声で言いながら俺のベッドで寝ている春乃の体をゆする。
「ん〜。やぁだ。もうちょっとだけ……」
春乃はそう言って布団の中に潜ってしまう。まぁ、いつもの事だが。こうなったとき俺はいつも決まってする事がある。春乃の頭があるであろう場所に近づき、耳元で
「起きないとキスするぞ」
と囁くのだ。これをすると
「はい!起きます!!」
と言って顔を真っ赤にさながら起きる。そして毎度、
「真ちゃんのバァカ!メガネ!おは朝信者!」
とバカだのメガネだのおは朝信者だのと言ってくるのだ。まあ可愛いからいいのだけれど。
「早くしないと会社に遅れるぞ」
「え!?うそ!?もうそんな時間なの??真ちゃんなんで起こしてくれなかったのよ!!」
「俺は何度も起こしたのだよ」
春乃は慌ただしく着替えを始める。俺はキッチンに行き、沸かしておいたお湯でコーヒーを作る。
「真ちゃん!朝ご飯……できてる」
春乃はテーブルに置かれている朝食を見て驚いた。
「こうなるだろうと思って作って置いたのだよ。ほら、早く食べろ」
テーブルに持ってきたコーヒーをおいて、春乃を椅子に座らせる。
「いただきまーす!」
春乃が朝食を食べている間、俺は仕事へ行く準備をする。カバンに必要な書類などを入れて玄関に持っていく。そしてダイニングに戻ると春乃は美味しそうに食べていた。
「真ちゃんこれめっちゃ美味しい!!」
「それは良かったのだよ。 春乃」
「うん?」
「今日は高尾と会う約束をしているから遅くなる」
「了解!お、時間だ!それじゃ行ってくるね!」
「待て、今日は送っていくのだよ」
「ホント!?ヤッター!」
春乃と同じ時間に出て、春乃を会社まで送り、自分の勤務先である病院に向かった。
「へぇ、真ちゃんが春乃ちゃんにプロポーズねぇ」
仕事を終えていつも高尾と会う場所のお好み焼き屋に来た。
「ああ。俺たちはもう付き合い始めてから6年になる。もう人事は尽くしたのだよ」
メガネのフレームを上げながら言う。
「でたよ。人事は尽くしたのだよ」
「真似をするな!」
「プッ。それで?どんな風にしようかって?」