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プロポーズされてみませんか? 【短編集】

第5章 迎えに行くから 【火神大我】


「はい!休憩!!」
春乃の声で、俺はシャトルランをやめる。春乃がドリンクとタオルを渡してくれる。
今日はチームが休みだから春乃と一緒にストバスのコートに来て練習をしている。
春乃とは高校3年から付き合っていて、もう6年になる。春乃とは同じ高校で、あいつは俺がいた男バスのマネージャーをやっていて、2年間の片想いから付き合うことになった。高校を卒業してから俺はプロのチームに入って、春乃はそのチームのトレーナーをしている。
「疲れたー」
「そうは言ってもまだ大丈夫だよね?」
「ん?まぁな。もうちょっと休憩したら今度はドリブルだ」
「了解!」
そうしてもう一口ドリンクを飲んで、ボールを持ってコートへと行く。
「頑張れ!」
そう言っていつも送り出してくれる。俺にとってこの頑張れの一言は魔法みたいなもんだ。どんなに辛くても頑張れる。
気合いを入れて、ドリブルを始める。

「あー、さすがに疲れたわ」
「今日はいっぱい頑張ったもんね!!」
春乃はそう言って、えらいえらいと頭を撫でる。
それだけで疲れがぶっ飛ぶ。やっぱ春乃すげぇ。
「さ、帰ろ!今日の晩御飯は私特製のハンバーグだよ!」
「Really!? All right!!」
「Yes!! だから早く帰ろ?」
「うっし!走って帰るぞ!」
俺は春乃の手を取って走り出す。こんな幸せがいつまでも続いたらいいのに。


「は?監督、もう一回言ってくれ…です」
「お前のアメリカ行きが決まった」
あれから数日後、練習中に監督に呼ばれ、この話を聞いた。
「それ?本当か…ですか?」
「本当だ。アメリカのプロリーグのお偉いさんがお前を気に入ったんだ。これはチャンスだ、答えは直ぐに出るだろう?」
確かにチャンスだ。アメリカに誘ってもらえたのは嬉しい、けど春乃のことが引っかかる。
「少し時間をください」
「わかった。でもなるべく早くに返事をくれ」
「うっす」
俺は監督と別れ、練習に戻る。練習中もアメリカ行きの事をどうするか考えていた。
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