第2章 兄の天敵
お兄ちゃんへのお土産のプリンも買ったし、早く帰りたいのに…
どうしよう…と静雄のことで自分に因縁をつけてきているカラーギャング達を見上げていた
平和島静雄には適わないからな…
妹にたっぷりお礼させてもらおうじゃねぇか
中々可愛いしよ
ほら、一緒に来い
にやにやと笑みを浮かべながら伸ばしてきた手を慌てて避けようと後ろに下がろうとするといきなりグイッと手を引っ張られた
「君、奈々ちゃんだよねぇ」
「助けてあげるよ、ほら、おいで」
ちっ、折原臨也じゃねぇか
カラーギャング達の舌打ちを背に相手に引っ張られるまま走り出した
「あのっ、折原臨也さんですよね?
なんで…?」
それなりの距離を走ったにも関わらず余裕そうな相手とは対照的にはぁっ、はぁっと息を切らせながらもやっと立ち止まった相手にそう問いかけるが、私の言葉をかわすように臨也さんは笑みを浮かべて近くのカフェを指さした
「まあ、君いつも逃げてばっかりだしさ
たまにはそこのカフェでゆっくり話そうよ
ケーキが美味しいって評判らしいよ?」
「ケーキ…わ、わかりました…」
静雄の言いつけが頭によぎりながらも助けてもらったのに逃げるわけには行かないだろうと私達はカフェへと入った