第2章 シンデレラ
空は、彼女をみて思わず「わぁ」と声を出した。
フワフワとした茶色の髪に、
誰もが守ってあげたくなるような小柄な感じ。
ちょっと緊張しているのだろうが、
頑張ってはにかんでいるその笑顔は
女子である空の胸にまでキュンと刺激を与えた。
これは男子に絶対好意を寄せられるだろう。
クラスの男子生徒を見渡すだけで、
彼女に完全に見とれているのが分かる。
空はだろうなぁと思いながら、
彼女を見つめていた。
でも、駿だけは彼女に何とも思わないだろう。
空は、そう安心した。
安心しきっていた。
だが、
その幸せな安心は消え失せる。
「ねぇ!凄いね駿!!あの子―――――
空は駿の方へ振り向いた。
空は目を見開いた。
「・・・しゅん・・・?」
駿は、彼女を見て、
頬を赤く染めていたのだ。
この時、
全ての終わりを告げる鐘が鳴ったような気がした。
「うそ…でしょ…?」
空は静かに呟いた。