第1章 幼馴染
駿の家で夕食を食べ終わり、
空は駿と別れて自分の家へ戻った。
誰もいない真っ暗なリビングを見て、
空は溜息をする。
電気を付けると、かばんをおいて
ソファーに倒れ込んだ。
「つっかれたぁ~」
空は真っ白な天井をみながら呟いた。
今日も、駿は呑気だったなぁ。
先程の夕食でも、駿は
美味しいと言ってくれたが、それは毎日のことだ。
もっと、ほかにかける言葉はないのだろうか。
そういえば、駿にお礼を言われたことも少ない。
もうちょっと意識してくれないのだろうか。
自分は年頃の女の子。恋してもおかしくない年だ。
そんな自分の気持ちをわかってくれないなんて
駿はどんだけデリカシーがないんだろう。
「早く気づけよ…。」
空は胸が締め付けられる思いを抱えながら、
ぎゅっと側にあった枕を抱きしめた。
そのまま、眠くなってしまい、
空はすーと眠りについた。