第7章 お前を守るのは(後編) @ 国見英×β
国見は重い足取りで遙の家に向かう。
及川に部活をむりむり早上がりさせられて、行ってこいと後押しをされたために。
担任も担任で、中学からの顔なじみってだけで配布物をわざわざ届けさせるのもどうかと思うが。
家の門の前で、チャイムを鳴らそうか鳴らすまいかうろたえる。
このまま帰ってしまいたい。
一か八かで、チャイムを鳴らしてみる。
だが反応がない。
誰もいないなんて筈はない。
恐る恐るドアノブに手をかけると、ドアは開きっぱなしになっていた。
国見は緊張した面持ちで室内に入っていった。