第18章 【SO】【R18】夜久衛輔 〜愛スル君へ赤イ華ヲ〜
家に帰った俺は、綾瀬の左の薬指に指輪がしてあるのを見逃さなかった。
いつも以上に上機嫌な様子で、暇があっちゃ自分の左手を幸せそうに眺める。
大切な妹が幸せそうにしてる事をきっと普通なら喜んでやるべきなんだと思う。でも俺といったら胸が締め付けられるばかりで、どうやったって喜べなかった。
なぜかって?
それは俺が、
妹を女として好きだから。
綾瀬はいつも俺を好きって言うけど、それは所謂ブラコンの範囲内で、俺が言う好きとは違うのはわかっていた。
俺も前は綾瀬と同じで兄妹として大切に思っているだけだった。でも、綾瀬が音駒に入ってバレー部に来て初めて黒尾に会った時のあの瞳は、いつも俺に向けているそれとは違って、、、そこから俺の綾瀬への想いは加速していった。
夕食を食べて、自分の部屋で気持ちを紛らわそうと、ベッドに寝そべって漫画を手にする。
数ページペラペラと捲ったあたりで、ドアをノックする音がしたかと思ったら声がした。
『お兄ちゃん、入っていい?』
「おう。どうした?」
ガチャリとドアを開けて入ってきた綾瀬は、可愛らしいパステルカラーのショートパンツに同じ色のパーカーという部屋着姿。
ちょっとなんか色々ヤバくないか。
てか可愛すぎ。
綾瀬は嬉しそうに俺が寝転がってるベッドに飛び込んでくる。
ああ、、、
なんでこんなに無防備なんだよいつも。