第2章 目隠しの恋
その後は不安な気持ちはあるものの、無理やり心の隅っこに追いやって先生との食事を楽しんだ。
こうやって私はいつも先生に逃げ場を求めるのだ。
先生と向き合っているときは自分の満たされない部分や不安な気持ちを見なくて済む。
ビールを調子よくおかわりし続ける先生に合わせて私もお酒を飲んでいたら、春樹への心配はすっかり隠れて見えなくなっていった。
明日は土曜日。
今日はたぶんホテルではなく先生の家に泊まることになるだろう。
その安堵感もあってか、珍しく今日はいつもよりお酒が進み楽しい気持ちが止まらなかった。
だけど、店を出るときふと頭の中で「いつまで続けるの?」と声がした。
私はその声をかき消すように首を振り、先生の指に自分の指を絡めた。