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私は卑怯者でしょうか?
第1章 好きな人と、体を重ねる人
もう4月だと言うのに3日前から降り続けている雨のせいで肌寒い日が続いている。
寒いのが苦手な私はトレンチコートの襟を引き寄せ、身を縮めながら帰宅中の人々に紛れて足を進めていた。
今日はあの人に合う日だ。
あの人、というのは高校のときの先生である松山亮のことだ。
松山先生は社会科の担当で、自分の親ほど歳がいっている教師が多い中で珍しく若く綺麗な顔立ちのせいで女生徒から人気があった。
そして彼は、わたしの初めての相手だ。
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