第3章 5回目の誕生日
――あれから5年
僕が死んでから5年が経ち、この世界に生まれてからも5年が経ちました。
僕はどうやら『転生』というものをしてしまったそうです。いきなり真っ暗になったと思ったら次の瞬間水の中に浮いていて、目は開けられない、体も動かせないしでビックリしました。
そのままぷかぷか浮いていたら、いきなりギューっと体が締め付けられ、頭がガンガン痛くなって「早く出たい!」と願っていたら急に明るくて眩しい世界に出ました。それから「痛い!!」と叫ぼうとしたのに「おぎゃゃゃぁぁあ!!!(泣)」としか言えずパニックになっていた所「元気な男の子ですよ~」なんて声が聞こえて、あ、僕赤ちゃんになっちゃったんだ。と一人納得していた5年前。
――そして今日12月25日、僕は5歳になりました。
朝ごはんを食べに一階に降りて、リビングのドアを開けた途端
パンッ!!パンッ!!
「アレスお誕生日おめでとう!!」
「おめでとう」
「おかあさんおとうさんありがとう」
はい。毎年恒例のクラッカーでお出迎え。僕の誕生日はここから始まるのです。
初めては3歳の誕生日でした。朝、顔お洗おうと一階に降りて、リビングのドアを開けた瞬間、パン!!パン!!と盛大に迎えてくれました。
普通の子は、びっくりして「うわ~ん(涙)」と泣いてしまったり「うわあっ!!」と叫んだりするのかも知れませんが、あいにく僕は3歳(+18)だったので、「おとーさん、おかーさんおはよう。なんであさからクラッカーであそんでいるの?」と聞いてしまたのです。はい、勿論失敗に終わりました。お母さんは影で泣いていました。
と、まあそんな事がありながらも、毎年クラッカーで迎えてくれています。
「はい、お母さんとお父さんからのプレゼントはこれよ、開けてみて頂戴!!」
「ありがとう
あ!これ前ぼくがほしいって言った本」
「そうよ!気に入ってくれたかしら?」
「もちろん、ありがとう」
「良かったわ!!((チュッ」
「あ///」
そう言ってほっぺにキスしてくるお母さん。
まだ外国のスキンシップというものに慣れていない僕。いくらお母さんと言っても恥ずかしいものは恥ずかしいのです。
「もう、照れちゃって~
可愛いわね!(フフッ」
「ムゥ(恥ずかしいから...)」