第1章 入学
「うわー!汚ねえから寄るなよ!!」
「こっちくんなー!」
「・・・・・・。」
ついつい
(コレだから餓鬼は…。)
と、同学年のクラスメイトを馬鹿にするようなことを思っていたが自分が同い年だということは隠しておこう。
小学5年生の頃からだろうか。急にクラスメイト達から避けられる生活を送り始めた。
むしろ避けてやりたいくらいだった。
いつの日か僕が教室の黒板側にあるドアを開けると真上から、明らかにわざとチョークの粉をつけたであろう黒板消しが落ちてきた。
ゲラゲラと笑い転げる男子が多数。
クスクスと隠そうとして、わざと見せつけるような笑い方をする女子が多数。つまりは自分以外のクラスメイト。
いや、自分は落ちてくる前の物体に気づいていたのだが、もしコレに当たらなかったらあとあと面倒になる。顔は殴られアザだらけ。お腹には少し強めの蹴りが入るし、腕は引っかかれ擦り傷ができる。そんな傷跡を処理するより、髪の毛を水で流し、服についた粉を払う方が効率がいいはずだ。
もっともその時のやる気のないうちの担任だった奴はみんなに注意はするものの、1回だけ。他のことは見て見ぬふりの糞人間だった。
そんな1年ちょっと前の思い出を掘り返した自分を殴りたくなるが、痛いのは嫌いだ。
義務教育である中学校に入るのは少しためらいがあった。自分で学校は、意地悪の集団だなんて思い込んでいたから。もちろん今でもその考えは変わらずまっすぐに進行し続ける。
僕の住んでいたところが田舎に近いがそこまで田舎ではなかった。だが中学校は他の区の小学校卒業生がいっぺんに集まる所といった、嘘か本当かも分からない情報が入った。
少人数の学校が多かったため、集まったとしても3クラス出来るほどだろうか。
あんな糞共とまた3年過ごすと思うと、吐き気がする。といった具合で、知り合いが来ないであろう遠い中学校を僕は迷わず、あえて、選んだ。
バスに揺られながら頭がクラクラする自分を自覚する。駅のホーム近くのバス停に着き、前方に座っていた僕が最初に降りるようだ。
(うう、、、。頭が痛い。)
フラフラとノロノロとしていたら後ろに列が、そしてその中に自分と同じ制服を着ている人を数人目で確認する。