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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第66章 【二度目の終わりと続く物語】


「一体おめーらは何やってたんだ。」

とあるファーストフード店にて、岩泉がドリンクの紙カップを片手に呆れたように言った。

「あの祭りの時、別れた後でそんな事になってたのかよ。」

ブツブツ言う岩泉の隣で及川がクスクス笑う。

「烏野のみんなもノリノリだったんだねぇ、澤村君まで止めなかったなんて意外。」

言われて縁下力はハハハと困ったような笑みを浮かべた。

「面目ないと言いますかなんといいますか。」
「ちゅうか成田先輩と木下先輩が率先した言うんがどーにも。」

力の隣では義妹の美沙が相変わらずの関西弁でボヤき、岩泉はやれやれと首を振る。

「おめーはおめーで相変わらず半分ボケなのな。そもそもそこの兄貴が公衆の面前で何やってんだって話だ、例えそこのクソ川に原因の一端があるにしてもだ。」
「ちょっと岩ちゃーん、それはひどくない。」
「ひどかねーわ、ダメだっつわれてんのにベタベタ触ってただろうが。京谷にまで止めに入られるって何だよ。」
「いーじゃん、触(さわ)れるうちにさわ」
「及川さん、その辺にしていただかないと。」
「兄さんあかんあかんっ、怖い、その顔めっちゃ怖いっ。」

目だけ笑っていない笑顔になる力に美沙が慌てる。それを見た岩泉はシスコンここに極まれりだなと呟く。

「いわはる事はわかるんですけど、まあ堪えたってください岩泉さん。」
「おい元烏野6番の妹、クソ川云々抜いてもおめーの兄貴はビョーキだ。あの頃からお前への過保護は突っ込みどころ満載だったけど今は何だよ、たまたま進学先被ったのいい事に親元離れて一緒に住みやがって。念の為聞くがまさかお前狙って進学したんじゃねーだろな。」
「ちゃうもんっ、行きたい思たら兄さんと被ってもただけやもんっ。」
「ならいいけどよ。」

親戚かと突っ込みたくなるような岩泉の心配ぶりに及川が笑う。笑った勢いでコーヒーの入ったカップを握り潰すのをこらえている始末だ。
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