第65章 【強制隔離宣言?あるいは花火の思い出】
青葉城西の連中と別れてからしばらく烏野の面々はそろそろ打ち上がる花火を見に行こうと移動していた。
「美沙ちゃん、結構食べたわね。」
清水がいう。
「何せ私こういうん初めてやし今日は兄さんのオッケーでとるからつい調子乗ってもて。」
「合宿でお会いした梟谷のマネージャーさん思い出しますね、清水先輩。」
「美沙ちゃんと大食い勝負してもらったらどうなるんだろ。」
「うーん、想像つかないです。」
「その人そない食べはんの、谷地さん。」
「うん。」
「へー。しかし梟谷か、赤葦さんにおちょくられるネタが増える予感どころか悪寒。」
「おかあさんね。」
「それはおかんっ、て、ええーっ。」
「はうっ、清水先輩がボケたっ。」
女子陣の会話の傍では愛すべき阿呆共が喜んでいる。
「ノヤっさんっ、潔子さんが縁下妹にのっかってボケられたぞっ。」
「くううっ、人生で一番幸せなものが見れたぜっ。俺もう思い残す事は」
「ありまくりだろ、馬鹿。」
菅原に突っ込まれて硬直する田中と西谷に東峰があははと笑う。
「楽しそうだな。」
「まったく、一時は及川に絡もうとしたからどうなる事かと思ったぞ。」
「美沙ちゃんがまさか青城を引き連れちゃうとは思わないからなぁ。」
「うーむ、縁下も苦労するな。」
頭をかきむしる澤村、その美沙の義兄である縁下力は義妹が清水や谷地と楽しそうにしているのを眺めている。
「縁下、顔にやけてるぞ。」
木下に言われて力はビクッとし、よせよと呟く。
「というか別にいいだろ。」
「まあさっきあんなこともあったしな。」
成田が言う。
「初めて生で及川さんが美沙さんにまとわりついてるの見たけどあれはひどいな。」
「俺の苦労がわかるだろ。」
「それ差し引いてもお前は病気。」
「おいっ。」
成田に言われるとかなりきついものがある。