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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第43章 【妹貸し出し当日 その4】


「ところで美沙、ブレスレットどうした。」
「えと」
「ごめん、俺外しちゃった。壊したり取り上げてたりはしてないよ、ちゃんと返してるからね。」
「だいたい理由は見当がつきますがそこまでなさいますか。」
「だって面白くないもん。」
「おまけに手まで繋いで。」
「いーじゃん別に、混んでるとこで迷子になったらどーすんのさ、1人にするなって言ったのは縁下君でしょ。」
「まさかとは思いたいですが」
「あっ、ごっめーん、抱っこもしちゃった。」
「ああ、やっぱりこの人と一緒に出すんじゃなかった。」
「どうせ心配しなくてもこの子は君が一番だって。あとさ、縁下君は美沙ちゃんにダイエットでもさせてんの。」
「何の話です。」
「ハミチキ買おうとしてやっぱやめるって言うから何でって聞いたら油もん食べたらにーさんに怒られるって。」
「美沙。」
「わ、私はホンマのことを言うただけやもん。」
「そもそも晩飯前って問題もあるんだけどな、美沙、お前はウチ帰ったらお仕置き。」
「ふぎゃああっ。」
「美沙ちゃんはほっそいのに気にし過ぎじゃないの、おにーちゃん。」
「運動不足で腹出ててスタイル悪いって自称してる割りには食うからです。」
「まさにdiet(食事制限、食事療法)なのね。」

だんだん話が妙な事になってきた、気がついた力はまぁそれはともかく、と話を切る。

「こいつは連れて帰りますんで。」
「うん。バイバイ、美沙ちゃん。」
「ありがとうございました、失礼します。」
「2人とも気をつけて。」
「はい。」

そうやって縁下の義兄妹は家に帰る。家に帰ってから珍しいことが起きた。美沙が自分から両親の目を盗んで力に抱きついてきたのである。

「どうした。」

力は尋ねるが美沙は答えずに顔をスリスリグリグリと力に擦り付ける。甘えたモード全開だ。

「楽しくなかったのか。」

くぐもった声でちゃう、という返事が聞こえた。

「楽しかったよ。及川さんは親切やったし初めての事もあって。」

美沙は言う。

「せやけどやっぱり兄さんがええの。」

力は心臓を撃ち抜かれた気がした。
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