第24章 【合宿 終幕】
「ホント前代未聞だわ、美沙ちゃんの影響力どんだけ。梟谷のエースも引っ張りだすなんてさ。」
若干冷めている組が話している一方で菅原が呟く。
「菅原さん、どうしましょう。」
「そろそろ俺ら割って入りますか。」
すっかり力を止めるあるいは渦中から引っ張りだす役が板についてきた成田と木下が交互に尋ねた。
「うーん、見てる分には面白いけど。」
「スガ、それはちょっと。」
「じゃあ旭止めに入るか。」
「すんませんでした。」
「旭さんっ。」
「引っ込むの早すぎっすっ。」
「つか大地は何やってんの。」
ここで木下がえーとぉ、と冷や汗を垂らして言う。
「あっちで黒尾さんに弄られてます。」
「田中は。」
「縁下妹に触れるなと山本君を説得中っす。」
「田中はともかく大地が使えないのは困ったな。成田、清水とやっちゃんは。」
「他のマネージャーさん達と女子トーク中です、割って入って援護を頼む勇気は俺にはありません。」
「だよな。」
菅原は一通り状況を把握してよし、と呟いた。
「旭、西谷引きずり出してきて火に油どころかニトロぶち込みそうだからそれくらいなら出来るだろ、木下は田中を回収山本君は音駒の人に任せよう、成田は日向と影山が縁下んちの事で余計な事口走らないよう見張っててあいつら聞かれたら何も考えずに情報流しそうだから。」
「了解っ。」
「ラジャっ。」
「スガ、あのさ、俺ら何の組織なんだ。」
「いーから旭も行けって。」
「は、はいいいいっ。」
木下、成田、東峰が任務に赴くのを見届けながら菅原はふふふーんと満足げにしていた。
「いやぁこんな風に人に指示するの楽しいな。縁下には悪いけど。」
こいつが一番タチが悪いかもしれない。
さて、当の縁下力の方はまだ事が収まらない。
「ちょっとっ、何で俺に妹見られたら最悪な訳っ。」
「いやあの無茶苦茶言われそうな予感がして、その。」
「ひっどっ、顔に似合わずひっどっ。」
「木兎クオリティじゃしかたねーだろ、馬鹿。」