第24章 【合宿 終幕】
なんだかんだで合宿最終日だ。烏野含め、どの学校も何か落ち着かないのか練習中はともかく休憩中や食事中はそれまで以上に騒がしい。
「縁下さんっ。」
屋外での昼食の時、力は音駒の灰羽に絡まれていた。
「美沙の奴がひでーんす。」
「また何を言ったんだい。」
「え、なんすか、俺になるんすか。」
「ああごめんよ、大抵の場合君が言ったことに美沙が突っ込んでるみたいだから。」
「ひでえっ。黒尾さんっ、烏野6番の人がひでえっスっ。」
いきなり話を振られた黒尾は大変面倒くさそうに答える。
「澤村の後継ぎだ、それくらい言うって。」
「後継ぎて、黒尾さんっ。」
「何だ、違ったのか。」
「それより俺自身が何だと思われてんだ。」
聞こえていた澤村が呆れたように口を挟み、黒尾はニヤリとする。
「まー、そっちの6番みたいなシスコンじゃあないみたいだけど。」
「おいおい、よしてやってくれ。」
「黒尾さん、俺ら兄妹に何か恨みでも。」
「恨みまでいかねーけどよ、お前んとこの地味リボンのせいでうちの山本がめんどくせーんだわ。」
「ああああの、美沙はいつもリボンじゃありませんあと山本君はいつもなのでは。」
ここで話が聞こえていた木下と成田が縁下が言いおったと声を上げ、さらに面倒臭いことになった。山本が聞きつけたのである。
「どぅわーれが面倒くせーってええええっ、あ、美沙さんのお兄さん。」
いつものノリで喚いたかと思えば突然態度を変えた山本についてこれなかった周りの奴らはずるっとずっこけた。
「いやあの山本君頼むからお兄さんはホントやめて、俺タメだし。」
「いやいや美沙さんのお兄さんですしっ。」
「だからやめてってばっ。それに美沙はやらないから。」
「もらうなんてそんな滅相もないっ。」
「あの誰か助けて。」
山本は完全に何か妙なスイッチが入っていて力も捌ききれなくなってきた。見ていられなくなったのだろう、音駒側で夜久が動く。
「おいっ犬岡っ、あのイカレ野郎止めろっ。」
「りょーかいっ。」
夜久が動いたので事態は収まるかと思われた、が、
「お、何だ何だ、烏野と音駒たのしそーだなっ。」
「あっ、こらっ。」
事態は収まってくれない。梟谷側から赤葦の隙を突いたらしき木兎が今度こそ首を突っ込んできたのだ。おかげで事態は悪化する。