第8章 ★おすすめの本★【黒子テツヤ】
すると零蘭さんは迷いなく取ってくれて更に今すぐ読み始めてくれました
僕はそれだけでも嬉しくなり作業を進める手を早めた
その間チラッと横目で零蘭さんを見ると僕は目を奪われた
瞳が微かに揺れ、憂いを帯びているかのような表情
綺麗な指で捲られていくページ
一つ一つの動きが美しく、思わず手を止めてしまうほど零蘭さんは輝いていました
そろそろ休み時間も終了間際なので集中しているところを失礼して零蘭さんの肩を軽く叩きました
『・・!!ん?どしたのテツヤ』
零蘭さんは顔だけこちらに向けその綺麗なオレンジ色の瞳で僕を見つめて
彼女は座って、僕は立っているので自然と零蘭さんは上目使いになるんですが
可愛すぎです
僕は我慢できずに零蘭さんの両頬に手を添えてそっとキスしました
柔らかい彼女の唇から微熱が伝わって離したくなくなります
零蘭さんは抵抗する様子も見せず、それどころか目を閉じて僕の首に腕を回しました
そっと離れると解かれた腕がゆっくりと下がり、今度は彼女が僕の頬に手を添えて額同士を合わせる
『久しぶりにテツヤからキスされたかも』
なんて言って微笑む零蘭さんに胸が高鳴る
無意識ですか?
貴女の微笑みは僕を、いえ僕達をいつも安心させ、そして心を乱していく
僕は平静を装ってもう一度キスすると零蘭さんの手を取り、図書室から出ました
例え彼等のようにいつも積極的でなくても僕は僕のやり方でこの人を手に入れてみせます
覚悟、していてくださいね?
零蘭さん
〔白崎零蘭〕
放課後になって今は部活中
休み時間にテツヤから借りた本はまだ半分もいってないけど流石に面白い
マネージャー業をこなしながらも頭にはさっきの本の内容が渦巻いていた
虹村『10分休憩に入んぞー!!』
修さんの声があがり、私とさつきは急いでドリンクとタオルを配り出した
その時
青峰『零蘭っ!俺と1on1で勝負しろ!!』
『はいはい、ちょいと待ってね~。下だけ変えてくるからさ』