第10章 加納
放課後の教室に響いたのは冷たい声だった。
「ねぇ…何してくれてんの?」
「「っ…………」」
二人は目の前の少女に、怯えたようにうつ向き黙っている。
「…やるならもっと…上手くやってよ…?」
少女の目は鋭く冷たいものだった。
尚更、何も言えなくなる二人だった。
「…あ−あ…それにしても……」
少女は窓に顔を向け、外を見る。
「本っ当あの子…」
さっき見た後輩の顔を思い出す。
苛立ちを隠さず吐き出す様に告げる。
「目障り…」
窓にうっすら移る少女は、さっきまで清楚な雰囲気が嘘みたいに…
冷たい表情をしていた。