第4章 大きいね【牛島 若利】
「頭をお上げになってください。
こちらこそ…
よろしくお願い致します。」
頭を下げる私に優しく
語りかけてくれるのは
お見合い相手のお祖母様。
そして、
隣に正座しているのは
「初めまして。
牛島 若利と申します。」
大きな体に
鷲のような威圧感を持つ
私のお見合い相手だった。
『よろしくお願い致します。』
何とか笑顔で答えたが、
(こ、怖いんですけど……)
内心、穏やかではなかった。
30分後-
後はおふたりで…
なんて、うちの両親と
牛島さんのお祖母様は席を立たれ、
私たちは2人きりになってしまった。
『あ、あのぅ…』
「なんでしょう?」
『牛島さんは、
何かスポーツをされているの?
体つきが良いように見えるのですが…』
「あ、はい。
俺はバレーボールをやっています。」
『まぁ!!…バレーですか!!
だから背も高いのね!!』
私は知っているスポーツで
少し安心して声が大きくなってしまった。
(ラグビーやハンドボールなんて
言われたら
話についてけなかったかも……)
「…//」
やだ、はしゃぎすぎて
引かれてしまったかも…//
『あ、私ったら…
ごめんなさ…』
「あの…□□さん、
あなたの事を〇〇さんと呼んでも
よいでしょうか?」
はしゃぎすぎたことを
謝ろうとすると、
意外な質問が飛んできた。
『な、名前…は何でもいいですよ?
呼び捨てでも…//』
「い、いえ、…
一応年上の女性ですから、
そういう訳には…//」
そういうの、考えられるんだ…
『じゃあソレでいいです。…
私は…若利くん…て呼んでも?』
「は、はい!//」
見た目は大きいけど
やっぱり歳下なんだ…
(照れちゃって…可愛い//)
2人の第一印象は思ったよりも
良くて、何度か2人だけで会う約束をした。