第3章 クラスのあの子 【及川 徹】
週末、本当に試合を見に来てくれた彼女。
烏野のマネちゃん同様
会場にいる男たちの視線を集めていた。
「おい、青城の応援席に
めちゃくちゃ美人な人いるぞ…」
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俺たちは試合前の
ウォーミングアップ中
応援席から少し離れているが、
□□に男が群がってるのは
見なくてもわかる。
「□□さん、どこに行っても
モテモテですねぇ…」
金田一が余計なことを言う。
「金田一ぃ、お前余所見とか余裕だな?
てか、俺の彼女を見るんじゃない。」
ジリジリと金田一ににじり寄ると…
「おい、誰か□□にコイツの
性格悪いエピソードして来い。
早い者勝ちで俺がラーメン奢ってやる。」
岩ちゃんによるイジメが始まる。
「ちょっ!岩ちゃん!
俺に可愛い彼女できたからって
ひがまないでよ!」
「俺、及川のゲスな写真持ってるけど?」
マッキーが見せる携帯を
パッとみると
この前飛雄と撮ったブレブレ写真。
「ぎゃー!それはダメ!
てか、なんで持ってんの!?」
それを見ている監督たちは…
「なんだか、いつもよりリラックスしてますね…」
「彼女のおかげかな?」
なんて話をしていた。
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「ありがとうございましたっ!」
試合が終わり、
ミーティング後に応援席にいる
彼女の元へ直行。
『お疲れ様!…あの、これ…//』
□□の手にはポカリのペットボトル。
『さっき…自販機で買ったやつだけど…//』
「ありがと〜!十分だよ!
誰に貰うかっていうのが重よ…」
「及川さん♡
今日もかっこよかったです!」
□□と話していると
後ろから、
いつも応援に来てくれるコ達に囲まれた。
(なんて、タイミング)
「あ、ありがとね〜!」
ショックを受けたかと思って
チラッと彼女をみると
すごく顔を赤くして
『じゃ、帰るね!!』
と口パクをして、去っていった。
(あの顔はどういう表情なの!?)