第3章 クラスのあの子 【及川 徹】
現在-
3年になってようやく彼女と同じクラス!
しかも隣の席になったというのに…
「俺って…嫌われてる?」
昼休みに岩ちゃんに弱音吐きまくりな俺。
「興味無いんじゃねーの?
クソ及川にはよ。」
「ひどいー!
けど、否めないー!」
なんでこんなにメソメソしてるかというと…
休み時間の教室-
クラスメイトが
一人の女の子を囲んで話している。
「今度うちで、BBQやるんだけど、
よかったら□□も来ない?」
「俺の家でホームパーティ
やるんだけどこの日空いてる?」
「男は置いておいて私と
ディナー行きましょうよ!」
エリートくそボンボン共が
必死に誘いまくっているのは
うちのクラスの女神…
□□ 〇〇だ。
しかし、彼女は
『ごめんなさい、
その日は先約があって…』
と、丁重に断り続けている。
そんな彼女を見た生徒たちが
凄いお金持ちや芸能人レベルの
ハイスペ男たちと遊びすぎて
相手にして貰えないんだと
噂しまくっている。
やはり、エリート様達の誘いを
断り続けている様が
女神…というより、
女王様に見えなくもない。
しかし、俺にはこんな感じ…
「□□、あの、今週末…」
『無理。』
と、取り付く島もない。
俺は好意を伝えるどころか
嫌われないように必死だ。
「肩にごみついてるよ!
とってあげるね!」
とか、
「プリント□□の分も
とってきたよ!」
とか、
「先生に頼まれた荷物?
重そうだね、半分持つよ!」
(と言いつつ9割持つ)
とか色々やっている。
全ては彼女を俺だけの女神にするため!
しかし、
『自分で出来るから、
勝手なことしないで。』
彼女は全く心を開いてくれない。
なんでだぁぁー!
現在-
「嫌よ嫌よも好きのうちって
可能性もあるかもしんねぇべ?」
「い、岩ちゃんのクセにいいこと言う!」
「クセにってなんだコラ」
日差しの照っている屋上で
岩ちゃんと
あーだこーだ言いながら
昼食を摂る。
これが俺のいつもの風景。