第2章 負けず嫌い【月島 蛍】
体育館にてー
「ちっ…」
月島蛍は苛立っていた。
彼女がお気に入りのヘッドホンを
盗み出したからだ…
いつの間に…
って、昨日彼女の家に
置いてきてしまったのが運の尽きだ。
ガラッ
『蛍〜?いる〜?』
静まり返った体育館に
私の声が響く。
あの、ノッポ…さては
私をからかったな!?
「ちゃんといるよ。」
倉庫の中から出てきた190センチ…
『あ、ほんとだ、いた。』
『ゴホン…
何でしょうか〜?
焼きそばパンをご所望ですか?』
「いや、それより手伝って欲しい…
ちょっとこっちきて…」
さっき出てきた倉庫を指さす蛍。
私は頼られるとすぐ動いてしまう。
『え、なになに?
私に出来ることならなんでも……』
蛍に誘われて
倉庫に足を入れた途端
ピシャッ
扉を締められ、
閉じ込められる。
『あの〜……
月島さん?』
「なんでしょう?」
蛍の笑顔が怖い…
『ヘッドホン返す以外なら…
何でもしますんで、…
ちょっと、ここは勘弁してほしぃ…』
私は暗い所が苦手…
そして、蛍もそれを知ってる。
「暗い所苦手だもんねぇ?
そんなに返したくないならさ、
僕と勝負しようよ?」
『お、おぉー!
します!勝ちます!』
ジャンケン?
あっち向いてホイ?
それともトランプ?
ここから出られるならなんでもいい!
色々な勝負が頭をよぎっていく中
蛍はあるものをポケットから取り出す。
「ルールは簡単…
負けなきゃいいんだよ?」
『そ、それは……』
「このローターをナカに挿れて、
イかずに自分の部屋まで帰れたら…
諦めてあげる。」
『……な、ななっ!//』
私はびっくりしすぎて
言葉が出ない!
(なんでもってるの!?
ってか、なにもってるの!?)
「挿れないっていうなら、
ここの鍵を閉めて1人だけ閉じ込める。」
『ひぃっ、』
(そ、それだけはぁぁっ!)
「やる?やらない?
ってか、勝負しますって、
言ってたよね?
女に二言があるの?」
あの腹立つ笑みで
言われたら誰だってこうなるさ!
『や、やってやりますよ!』
私は食い気味にやります宣言を
してしまう。
売り言葉に買い言葉とはまさにこの事…
結局私は蛍に嵌められて
このローターをナカに挿れられた状態で
午後の授業を受けることになった。