第2章 負けず嫌い【月島 蛍】
『送信っと♪』
昼休みに彼氏にLINEを送る。
私の送った文はこうだ。
《人質は預かった。》
そして、
追加で写真を送信。
ぐるっとドーナツを描いて
パッと現れるのは
彼のヘッドホン。
『むふふ…お前は私の
ロッカーにでも仕舞ってやるわ!』
ポイッ…
なんて、できないので
そーっと、ロッカーの中に入れて
ブランケットで巻く。
これは、私が奪わなければならない……
既読のついたLINEに
吹き出しが増える
《返して》
『こわっ、怒ってる…かな…』
《嫌だよー!
こいつは渡しません!》
《僕のだよ?
窃盗で警察呼ぼうか?》
《怒ってる?》
《話をすり替えないで。》
《シュン…( ´・ω・`)》
《分かったよ…
じゃあ、代わりに
俺の頼み事聞きに
体育館に来てくれない?》
ポンポンと進むLINE上での会話。
私は《了解ですっ ( ̄^ ̄ゞ》と
送って、走って体育館に向かった。