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[R18]ハイキュー!!(裏短編集)

第8章 風邪【佐久早 聖臣】



ドキッ!

私は咄嗟の出来事には反応できない
人間のようだ。
ビクッとすることも無く
私の肩は彼の頭を受け入れた。

(どっ、どうすれば……;;;;)

冷や汗の止まらない私を他所に
寝息を立てて眠っていらっしゃる佐久早さん。

暫く時の流れに身を任せてみたものの
全く起きる様子のない佐久早さん。

けれどこの時はやってくる。

「次は--」

車内アナウンスが流れ
ハッと我に返る私。

(次、佐久早さんがいつも降りる駅じゃん!)

二択が迫る。

1つは『次降りる駅ですよね?』と、起こしてあげる。
ただし、これは(え?なんでコイツ
俺の降りる駅知ってんの?キモ…)
って思われる可能性大!
あんまりやりたくない……

もう1つは自分の降りる駅まで肩を貸し
『あの〜…降りたいんですけど…』
と、声をかけて2人で大学前の駅で降りる。

(うー、どうしよ。)


**

数十分後

「ん〜……?」

佐久早さんが目を覚まし
自分の状態に気がついて

ガバッと体を起きあげる

『え、えっと………』

「あ、…え…と……
あれ?俺…?

ス、スイマセン…//」

驚きと恥ずかしさとが
混ざったような表情で声をかけられ

『い、いえ……
あまりにも気持ちよさそうで

起こせなくて…///

こちらこそ、ごめんなさい…//』

私は自分の優柔不断加減に
恥ずかしくなり、俯いて謝罪した。

すると、
謝罪の意味が分からなかったのか

「……?」

キョトンとする佐久早さん。

ドアの上のモニターに移された
《次は〇〇》の文字を見て

「………!!!?」

と、驚きのあまり
固まってしまった。

そう。
私たちは大学の最寄り駅から
10駅も離れた場所まで来てしまっていた。

結局二択はどちらも選択できず
【起こさない】という
3つめを選択をしてしまった。

私達はその駅で2人で下車し、
戻ろうか考えたが、
隣のホームの満員の電車をみて
「俺は乗らない。」

という佐久早さんに同感して
サボることにした。

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