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落ちた一雫

第11章  シンドリア








レイ「・・・ねぇ、蓮はどこに行ってるの?」
雄「・・・アイツの事だ。銀蠍塔で今頃シャルルカン殿と剣の勝負でもしているんじゃないだろうか。」
レイ「あ、そっか。雄は見に行かないの?」
雄「この文献を読み終わったら迎えに行こうとは思っている。」
レイ「どっちが勝ってるかなー?」
雄「どうだろうか。この前はシャルルカン殿が眷属器を発動させたとか何とか・・・。」









ジャ「・・・。」
シン「・・なんだ、珍しいな。お前の筆が止まっているなんて。」
ジャ「・・・いえ、その。・・レイが、随分と年相応な反応をしているなぁと思いまして。」
シン「・・・あぁ、ここからは中庭が見えるからな。」
ジャ「・・・私の前では、もっと大人びた対応をしていたように思って・・少し寂しいな、と。」




レイが連れて戻って来た二人は、ユウとレンと名乗った。
顔を隠してはいるものの、殺気を出しているわけでも、怪しい行動をしているわけでもなく、平穏に時間が過ぎている。それどころか、かなりこちら(シンドリア)に慣れ親しんでいるようにも見える。順応性が高いのだろうか。
二人は王宮の範囲から出る事なく、大抵はレイと共に行動し、レイが私の仕事を手伝っている最中に、レン殿が銀蠍塔に出入りしたり、ユウ殿が白羊塔の書庫に出入りするくらいでしかレイの側を離れる事がない。
それ以外では、レン殿をシャルルカンが銀蠍塔まで引っ張って行って勝負をしているくらいのものだ。







ジャ「・・・騎士のようですね。(ボソッ」
シン「・・・あぁ、あの二人の事か。危険人物ではないだろう?」
ジャ「そのようですね・・・。武芸を嗜んでいたという事もあり、シャルルカンが毎日のように勝負を挑んでますね。」
シン「あぁ、そういやこの前シャルルカンが眷属器を発動したと言ってたな。」
ジャ「そんな夢中になって戦ってるんですかシャルルカン。」
シン「楽しいらしいぞ。今度俺も手合せしたいもんだ。」
ジャ「レン殿はよく出入りしてますからわかりますけど・・・ユウ殿はお強いのでしょうか?」





そんな私の言葉に、シンはニヤリと笑った。




シン「いい事に気付いたな、ジャーファル。」



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