第1章 初対面
ジャ「やっぱり貴方の子じゃないですか!!」
シン「ジ、ジャーファル落ち着いてくれ!!」
ジャ「落ち着いていられません!!いつかこんな日が来るとは思っていましたが・・・!!」
シンドバッドとジャーファルがまたも口論を始めてしまった。
マス「・・・マスルールっす。」
「・・・レイ。」
マスルールがドカッとベッドに座ると、レイはマスルールの膝の上にちょこんと座った。
マス「・・・。」
レイ「マスルール様、太陽の匂いがする・・・。」
それに気付いたシンドバッドは、
シン「マスルール!俺より先に・・・!!ずるいぞ!!」
ジャ「そういう問題じゃないでしょうが!!・・・ところで、その子の名前は?」
マス「レイっす。」
シン「レイか・・・いい名だな。」
そう言って、シンドバッドはレイを抱き上げようとした。が、
ジャ「シン!!」
なんと、ジャーファルに先を越されてしまった。
シン「ジャーファル!俺の子だぞ!!何でお前が先なんだ!!」
ジャ「いいですか、シン。この子が貴方の子であるのなら、」
シン「おぉ!お披露目をしなければならないな!!明日しよう!!」
ジャ「違います!・・・いや、違いませんけど!!この子を王女にするという事です。この意味は、貴方ならわかりますよね?」
もしレイを正式に王女にするのなら、シンドバッドの跡継ぎはレイしかいない。故に反乱でも起きない限り、次の王はレイなのである。
敵の少なくないシンドリア。正式に王女にするという事は、彼女を危険に晒す可能性があるという事なのだ。
シン「・・・お前は、俺にこの子を見捨てろというのか?」
ジャ「いいえ。シンドリアの民として生きる事も、食客としてこの王宮に滞在する事も可能だと言いたいだけです。」