• テキストサイズ

落ちた一雫

第5章  すれ違い






シン「・・・部屋を飛び出した!?」
文官1「は、はい・・・。“ママもお父さんも知らない。”って、泣きながら・・・。」



騒めく執務室。



ジャ「・・・そのうち戻ってくるでしょう。」



そっけなく返したジャーファル。




シン「・・・ジャーファル。」
ジャ「ここは島国ですから、他の国に行ってしまうような事はないでしょうし、今日はもう船も出る予定はありません。国外へ出てしまう事はないでしょう。」
シン「ジャーファル!レイはまだ子供だぞ!!?」
ジャ「シン、いつも貴方が口酸っぱくして言ってるじゃないですか。子供だろうが実力があればそんな事は気にしないと。」
シン「・・・シャルルカンとのあの戦いを見て、お前は何を思った。」

ジャ「普通の子ではない、と思いましたね。」



シンドバッドは、そんなジャーファルを見て目を大きく開いた。



ジャ「さすがは貴方の子、とでも言いましょうか。」


シン「・・・レイは、ここ最近で食べる量が減った。遠くを見ている事が増えた。話しかけても、上の空だ。・・・ジャーファル、お前がレイと会わなくなった日くらいからだ。」
ジャ「・・・。」
シン「ジャーファルが思っている以上に、レイはお前の事を必要としていると思うぞ。」






バァンッと開かれた政務室の扉。



武官1「な、南海生物が現れました!!」
シン「おぉ!今日は謝肉祭だな!!」
武官1「そ、それが・・・一気に3体現れまして・・・。」
ジャ「一気に3体!?」


ガタッと立ち上がるジャーファル。



シン「行くぞ、ジャーファル!八人将を集めてな!」
ジャ「もちろんです!!!」





バタバタと出て行くシンドバッドとジャーファル。


文官1「・・・?あの、行かれないんですか?」
武官1「え?・・・あ、その・・これ、朝議が終わった頃にレイ様からお預かりしたのを思い出して。」







そう言って文官達に差し出されたのは1つのバスケット。
中を開けてみれば、数種類のサンドイッチが入っていた。






武官1「全て、火は通してあるそうですよ。」


それでは失礼します、と言って駆けて行ってしまった。




時刻はもうすぐ正午になる頃だった。





/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp