第4章 音駒バレー部のファンしてます。
潔子さんに守られてから、落ち込んだまま音駒との練習試合は終了。
『貴重な時間を私がぼーっとしてたせいで無駄にしてしまい、申し訳ございませんでした!!』
試合終了後、コートの片付けの際に体育館のど真ん中で叫ばせていただいた。みんなに聞いてもらえるように、一応ど真ん中で。
西谷「さっすが瑠璃だな!!体育館の真ん中で謝罪を叫ぶ!!かっこいいぞ!!」
縁下「いや、かっこいいのか…?」
「全然!気にしてませんから!あ、ちなみに俺、犬山って言います!」
ちょうど近くにいたノヤッさんと縁下がフォロー?を入れてくれる中、音駒チームのあの7番くんが人懐っこい笑顔で話しかけてくれた。
『い、犬山くん…本当にすいませんでした…!マネージャーとしてあってはならない試合妨害…』
犬山「全然!大丈夫ですから!なんなら、体育館に女の人がいてくれるだけで嬉しいんで!」
黒尾「そうそう。女の子がいてくれるだけで、いつも以上に頑張ってたよなぁ。特に山本な」
山本「な!?ちょ、そ、それは黒尾さんだって!!」
く、黒尾さんだぁ…。
やばい、近くにいるし話しかけてくれてるの…?
黒尾「そりゃもちろん。かわいい女の子が見てくれてるからな」
く、黒尾さんが…か、かわいい…って言ってくれた…。
いや違う、潔子さんのことだ。危ない、勘違いするとこだった。
黒尾「ということで、こちらは全然気にしてないから。むしろか弱い女の子見れてラッキーみたいな?」
「黒尾!烏野のマネージャーに絡まない!」
黒尾「あの人は夜久。やっくんって呼んであげて」
『やっくんさん…!』
う、わぁ…音駒のリベロの人だ…!かっこいい人…!
夜久「瑠璃ちゃんだっけ?よろしくね!音駒はマネージャーいなくてさ〜。過剰反応しちゃうんだよね。特に山本が」
山本「夜久さん!?」
なんかわかったぞ。山本くんは烏野で言う田中だな?
山本「お、俺は別に…!女子マネージャーなんかいなくてもバレーはできますから!!」
夜久「おい山本…!」
言い過ぎたと思ってくれたのか、山本くんはハッとなって口を手で覆ったけど、わかるよ。照れ隠しで勢い余って言っちゃったんだよね。
でもまぁ、そうだよね。
女子マネージャーなんかいなくてもバレーはできる…。