第4章 音駒バレー部のファンしてます。
『き、潔子さん……く、黒尾さん』
菅原「黒尾さんがどうした?」
!?す、菅原さん!?何処から…!?
菅原「…向こうの主将さんだろ?瑠璃の好きな人って」
『す、好きとかじゃなくて…き、気になるなぁってぐらいです…かっこいいなぁって…』
あ〜なに言っちゃってるんだろ私…!試合前だって言うのに…!
潔子「菅原、気になる人なんて人それぞれ違うんだから。口挟まないの」
菅原「いや…だってあの胡散臭そうな笑顔だぞ?そりゃ心配するだろ…」
…え、菅原さん心配してくれて…?って…
『う、胡散臭くなんてありません!!素敵な笑顔でした!!』
菅原「……そう、ならいいけど」
…や、やっちゃったかも?菅原さん怒らせちゃった?せっかく心配してくれたのに怒らせちゃった…?
『あ、菅原さん…っ』
行っちゃった…。そりゃ試合前だし長話してる場合じゃないんだけど…誤解を解きたいというか…謝りたいというか…。
潔子「瑠璃ちゃん、気にしなくていいからね?」
『いや、でも…菅原さん怒らせちゃったっぽいし…』
潔子「瑠璃は何も悪くないから、ね?私がちゃんと菅原に話しておくから」
『いやいやいや!!そんな…!!潔子さん何も関係ないのに…悪いです…!!』
潔子さんこそ何も悪くないのに…!
潔子「いいのいいの。ちょうど菅原に話しておきたいこともあったし」
『でも…』
潔子「菅原は急に現れた人に瑠璃ちゃんを取られるのが嫌だったんじゃない?」
『そんな父親みたいな…』
菅原さんってどっちかっていうとお父さんよりお母さんっぽいし…。
潔子「まぁ、そう思ってるのは菅原だけじゃないと思うよ?」
菅原さんだけじゃないって…一体何人父親がいるの…。
孤爪「あ、瑠璃ごめん…ボール取ってくれる…?」
『あ、研磨君!気付かなくてごめんね…!ハイ!』
私の足元にいつの間にか音駒のボールが転がっていたから拾って研磨君に渡した。
孤爪「あの…」
『うん?』
孤爪「さっき…ごめんね、クロが…」
『え!?あ、あぁ…ぜ、全然!?や、優しい人だね!黒尾さん…!』
孤爪「…休憩の時さ、ちょっと時間もらえる…?」
『べ、別にいいけど…』