第4章 音駒バレー部のファンしてます。
『潔子さん!これ記録用紙です!』
潔子「ありがとう瑠璃ちゃん……キョロキョロしてどうかした?」
体育館に入って、まず潔子さんに菅原さんから受け取った記録用紙を渡した。それからちょっと『クロ』っていう人を見つけようと思って辺りを見回していたら潔子さんに心配されてしまった。
『あ、いや、別に…』
潔子「もしかしてマネさん?」
『あ…!はい!いるかな〜って思って!』
…すっかり忘れてた、マネさんのこと…。
潔子「う〜ん…いないっぽいね。もしかしたら遠征だし、マネさんは残ってるのかもしれないね」
『残念です…』
と、言いつつまだ辺りを見回してしまってる私なんですが…。
いない。
あれ、いない。
潔子「もしかして、音駒に好きな人でもできたの?」
『!?!!?』
潔子「図星なんだ…」
『え!?い、いや!?好きとかじゃなくてですね!?』
な、なんで潔子さんこんなに鋭いの!?
潔子「どの人?教えて?」
『そ、それが……』
みんなには言ったのに、というかバラされたんだけど。潔子さんには言わないわけにもいかないし…というかどちらかと言えば潔子さんだけに相談したかった…。ので、潔子さんに全てお話しました。ロードワーク中に出会ったことから全てを。
潔子「そうなんだ!よかったね瑠璃ちゃん!気になる人出来て!」
わ、わぁ…潔子さんに笑顔で喜んでいただけるなんて…!!
『で、でも…ここにはいないみたいですし…』
と、少しショボーンとしていたら。
孤爪「クロ…遅い」
?「あぁ、ごめんごめん。便所の場所に迷ってた」
孤爪「ここで練習するの何日目…?そろそろ覚えなよ…」
?「ごめんって」
『……潔子さん』
潔子「なに?」
『緊張で足が震えます』
潔子「え!?だ、大丈夫!?」
……研磨君、確かに今…『クロ』って呼んだよね…?音駒は今私の後ろで練習してるから…振り返れば…『クロ』っていう人が……いる……?
『そ、その…さっき話した人が…あの…い、今来られたようで…』
潔子「…もしかして、音駒の主将さん…のことだったの?」
『え、主将…?』
あの、音駒を担う主将…?