第3章 大きな過去と小さな現実
藤岡側
俺の名前は藤岡正敏(ふじおか まさとし)
俺はコイツの親の誠と友達だ
俺は昔、誠と一緒に刑事をしていたが
13年でやめてしまった
俺は山の捜索中に崖に落ち左腕が思い通りに動かなくなったので早い引退をしてしまった
それからスクールカウンセラーになって学生関係の事件が起きない用に誠の支援をしているつもりだ
そんなある日の事だった
俺の家に一本の電話が来た
藤「あー、もしもし。どちら様かな?」
誠「そのやる気のなさそうな口調は変わらんな」
藤「ん?誠か??」
誠「ああ、そうだ」
藤「お前から電話なんて珍しいじゃねえか。どうかしたのか?」
誠「ああ、まあな」
あの時の誠は何かに怯えているような感じだった
藤「誠?」
誠「少し頼みがあるんだが聞いてくれないだろうか?」
藤「ああ、俺に出来る事だったらな」
誠「むしろ、お前にしか出来ないと思っている」
誠は電話の向こうでクスリと笑っていた
藤「そんで、頼みとは?」
誠「お前がスクールカウンセラーをやっているのは知っているだが、今はどこの学校だ?」
藤「ん?今度の春から立海高校だが」
誠「それなら安心した」
藤「?」
全く訳がわからんかった
誠「実は俺の娘が今度の春に立海に入学するんだが」
藤「ん?お前娘なんていたか?」
誠「まあ、最後まで聞いてくれよ」
俺は黙って聞く事にした
誠「俺の娘には感情が欠落しているようでな、精神面のサポートをお願いしたいんだ。それからあと部活関連だ」
藤「部活に入りたくない、とかか?」
誠「ああ。3年前から有名な魔術師(マジシャン)を知っているかい?」
藤「ああ。小さな大会を片っ端から潰していると言う噂の」
誠「俺の娘はその魔術師なんだ。3日前に右腕を壊してしまってな、テニスが出来なくなったんだ」
藤「!!!」
誠「だけど、娘の感情が欠落しているのとは全く別だ」
全く別、もしかして
藤「腕を壊す前から、欠落しているのか?」
誠「......ああ。10年以上も前の大量誘拐事件を覚えているか?」
藤「ああ、勿論だ。忘れるはずがねえ」
これは、俺達が解決した事件でもあった
ここ近年の中で1番最悪な事件と言っても過言ではない
俺が担当した中では1番嫌な事件でもあった
ま、まさか......誠は!