第12章 答え合わせ
上風側
『おはようございます』
上風「おはようございます!」
いつものテニスコート
幸「おはよう」
真「もう来ていたのか?」
俺と氷月は氷月のある特性を無効にするために
朝早くから打ち合っていた
柳「今日は取りがいがあるな」
仁「程々にしときんしゃいよ」
俺と氷月はこの試合に賭けている
柳生「楽しみなのは変わりませんね」
ジャ「そうだな」
この試合が俺達の人生を左右すると言っても過言じゃない
丸「早くやろうぜぃ!」
切「見たいッス!」
明日が欲しいから、俺達は戦うんだ
『サーブはそちらからで構いません』
仁「ええんか?」
『その代わり、コートをこちらで』
仁「了解ナリ」
テニスコートに入る2人からは緊張の文字は見られない
寧ろ、楽しんでいるような気がする
上風「1セットマッチ」
俺の声で始まる
先ほどの事は違い、2人は真剣な表情になっている
氷月が無効にしたのは
仁「いくぜよ」
『はい』
仁王先輩からトスが上がる
そして、最高のタイミングで下ろされる
氷月はそれらを見ている
氷月の動体視力は、一般人を超えているから
その球に追いつくのは
『遅いですよ』
「「!!」」
上風「0-15」
造作もない
氷月の対策は自分のスロースタート
それを俺と早くに試合を繰り返し、今日だけは
『スロースタートはないですので、悪しからず』
仁「...たちが悪いナリ」
本気から始まる試合だ
再び上がるトスに少しスピードの上がったサーブが放たれる
氷月はしっかりと目で捕らえた後
『行きます...』
ラケットに当てる
大きな曲線を描いて仁王先輩のコートに深く突き刺す
はず
仁「甘く見なさんな」
仁王先輩も追いついて正確に打ち返す
『わかっています』
氷月から放たれる
大小兼ねた曲線を描く、第3者を魅了するボール
仁王先輩から放たれる
異名から感じ取れない程、綺麗な直線のボール
切「仁王先輩、押されてないスか?」
柳「間違いなく押されている」
丸「何時ものスロースタートがないとこんなに違うかよぃ」
真「これが、彼女の本気」
幸「マジシャン」