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古きパートナー

第11章 赤


仁王側

無防備に寝る白川は先程よりも深い眠りに入ったようじゃ

雨の音が聞こえんだけこれだけ違う眠りに入るとはな

仁「友達が死んだ日、のう...」

ビルの屋上から飛び降りた友達を見てしまったと言う事か

じゃが、最後のが気になるのう

僕が殺した、アリィを殺した

仁「わからん」

携帯が鳴った

仁「仁王じゃけど」

柳生「柳生です。今どちらにいらっしゃるんですか?今仁王君の部屋にいるのですが」

仁「すまん、白川の寝室じゃ。静かに入って来るんじゃぞ。今寝た所ナリ」

柳生「わかりました」






幸「それで添い寝をしてるんだね」

仁「そんな事言うんじゃなか」

柳生「いやいや、驚きましたよ」

柳「最初はな」

柳生だけを呼んだなずじゃったんだけどな

途中から柳生が幸村に電話し、幸村から参謀に

なんの伝言ゲームじゃ

幸「...酷い顔色だね」

仁「優真の話によれば、雨の日は眠れんらしいぜよ」

柳「では、夜は寝ていない事になるのか」

柳生「かなりハッキリと聞こえますからね」

来た時に比べれば顔色はまだましになったもんじゃ

柳生「それで仁王君」

仁「なんじゃ?」

柳生「そこまで抱き寄せる必要があるのですか?」

仁「羨ましいんか?」

柳生「そう言う事ではなく」

仁「わかっとる。こすれば雨の音が聞こえんと思ってな」

俺は完全に白川とくっついておる

コイツの風邪が治るんなら、俺はコイツから移されてもええ

『アリィ...』

またじゃ、雨の音は聞こえとらんはずなのにのう

少しずつ荒くなる呼吸、力の入る体、歪んでいく表情

幸「アリィ?」

仁「友達じゃとよ。ビルの上から飛び降りて死んだらしい」

柳生「...夢を見ているのでしょうか?」

仁「ああ、さっきから一緒らしいけどな」

柳「アリィ...?聞いた事があるな」

幸「何処でだい?」

柳「一時ニュースに出ていた覚えがあってな」

柳生「ニュースですか」

柳「ああ、調べてみるか」

幸「ほどほどにね」

『アリィ!』

「「!!」」

今までにない大きな声を上げて意識が覚醒した白川

『あ...れ...?』

柳生達を見るなり平常心が戻ってきておる

切羽詰まった表情がいつもの無表情に変わっていく
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