• テキストサイズ

古きパートナー

第10章 知らないフリ


上風「エン、ドッ!」

タイミングよく打たれたスマッシュボール

影夜はそれをノーバンで受け止め

ラケットを手の中で一回転させた

「「!!」」

そしてそのまま相手の後ろに突き刺した

『ふぅ...』

コートの中に居る優真も俺達も

今、何が起こったのか分からない

実際にはわかっておってもそんな器用な真似は出来ん

切「ス、スゲー...」

丸「な、何が起こったんだよぃ...」

コートから帰ってくる影夜はベンチにラケットを立て掛け

飲料水を口にする

『切原君はいいのですか?』

切「あ、えっと、や、柳先輩お願いッス」

柳「...わかった」

今だに放心している優真をどけて2人の打ち合いが始まる

ベンチに座った影夜は左手首を気にしているのか

ずっと捻っているようじゃ

幸「大丈夫かい?」

『大丈夫です。久しぶりに左で打ったので少し違和感に思っている程度です』

真「無理はいけないぞ」

『わかっています。左は大丈夫ですから』

上風「なんじゃあれ」

ようやく現実世界に戻ってきた優真は戻りながら呟いておる

『何って、言われても...』

丸「なんかの技なんか?」

『いえ、技ではありませんから』

柳生「それでは、名前をつけていないのですか?」

『...あの技に名前を必要とは考えていませんでした。使う場面なんてのはあまりないですから』

仁「今すぐに命名出来んのか?」

『そうですね...、「奈落」とかどうでしょうか?初めて貰った人は落ちるでしょうね」

丸「え、えげついネーミングセンスだぜ...」

ジャ「お、おう...」

奈落

確かにピッタリかもしれんな

跡部辺りが食らったらどうなるんかのう

柳「手の中にあるラケットを回転させスマッシュの威力を軽減し自分にあったタイミングで打ち返す技か。面白いな」

切「スマッシュ恐怖症になるッス...」

『おや、もういいのですか?』

切「ッス!」

『それでは始めましょうか。僕は基本スロースタートなのでよろしくお願いします』

切「こちらこそッス!」

2人はコートに入っていく

『サーブはそちらに譲ります。こちらのコートをください』

切「いいんスか?」

『はい』

切「んじゃ、遠慮なく」

赤也のトスでゲームが始まった
/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp