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古きパートナー

第7章 連続の厄日


どうやら竜崎さんは祖母を待っていたようだ

柳君の話しだと竜崎さんの祖母は青学テニス部の顧問だそうだ

今日は神奈川で小さなテニスの大会が開かれるそうだ

時々小さな大会を見に来るらしい

あそこに居たのは祖母との待ち合わせだとか

柳「では、戻るのだな」

桜「はい、いろいろありがとうございました」

幸「蓮二」

柳「わかった。途中まで送って行こう。さっきのに出くわしてもな」

桜「でも」

仁「ここは甘えときゃええんじゃ」

桜「では、お言葉に甘えてお願いします」

幸「うん、じゃあここにいるから」

柳「わかった」

桜「それでは」

2人は行ってしまった

幸「本当に女の子なの?」

僕の顔を見て言う

『そうですね。証拠は身分証明書でいいですか?』

幸「クス、わかってるよ」

幸村君は悪戯っぽく笑った

仁「お前さん、あーゆうの平気なのか?」

『まあ、平気です』

仁「変な奴っちゃ」

そう言うと僕の頭の上に手を置いた

『なんですか?』

仁「睨みなさんなって」

幸「俺の前でイチャ付くなんて、良い度胸だね。仁王」

仁「すまんすまん。そう言うつもりはないんじゃ」

頭から手をどけた

僕はそのまま近くのベンチに座った

両隣に2人が座る

少し離れた所で

両親と遊んでいる小学生の男の子が

一生懸命ボールを追いかけている

ボールは僕の足元に来た

僕はボールを持って立ちあがった

『はい、どうぞ』

男の子「ありがとう!お兄ちゃん!!」

そう言って両親の所に走って行く

後ろでは2人がクスクスと笑っている

僕は知らないフリをしてさっきの場所に座る

仁「小さい子からも、お兄ちゃんとは」

幸「俺達でも判断が難しかったんだ」

『何がですか?』

僕はさっきの男の子を見る

仁「不安なのか?」

『なんでですか?』

幸「古い記憶がないだ。親が自分の本当の親なのか怖いんだろう?」

『......』

親、か

僕に親なんて居たのだろうか?

あの時の小学生の記憶だと

少なくとも都美子さんと誠さんが僕の両親になっている

だけど、苗字が違うのだから違うのだろう

僕の親は何処に居るんだろう?

生きているのだろうか?

楽しくやっているのだろうか?

今は何をしているのだろうか?

そんな事ばかりを考えてしまう

昔はそんな余裕はない
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