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続・厄介な天帝さん

第4章 4話


私「二人ともやめてください!!」

少し言い合いになりかけていた2人を宥め私は口を開いた。

私「確かに私は高尾君の言う通り赤司の事が好きです。…それから私が一方的になりかけてるのもわかってる、だけど諦めきれないんですよね。」

実渕「…そう。」

私「…ずっとただの幼馴染だったのに私だけがおいてけぼりにされちゃって…」

そう言って少し実渕さんから私は視線を外し改札口の向こうを見た。

赤司「玲央!もう時間だ!!」

きっと階段の上からだろう赤司の顔は見えないが声だけが届いた。

実渕「はーい!!…ごめんなさいね、またお話聞かせて欲しいわ。…そうだ、私のLINEのID渡しておくわね。」

そう言ってどこからともなく出して来たペンでサラサラっと綺麗な字を書き、その紙を私と高尾くんに渡した。

実渕「私、恋愛相談とかそういうの大好きなのよ!!また、2人の話し聞きたいわ!!…じゃあ、冬に会いましょう!」

そう言って彼もまた改札口の向こうに消えていった。
残された私たちもこれ以上いても仕方ないので帰るべく歩を進めた。

それからしばらく私たちは電車に揺られながら目を合わすことすら何だか気まずくて駅を出るまで終始無言だった。

駅を出るとこの沈黙を破ったのは高尾君だった。

高尾「来週からインハイ始まるじゃん?」

私「…そーだね!」

高尾「丁度合宿と被ってんの知ってる?」

そう言って高尾君は鞄から一枚の紙切れを取り出し私に渡した。
その紙を渡しは受け取り確認すると蛍光ラインで惹かれた部分を見た。

私「でも、来週末が合宿の最終日でついでに準決じゃなかったっけ?」

高尾「そ、真ちゃんも見に行くと思うけどあんな性格だから笑」

高尾くんの苦笑いに私は大体察しがついた。…緑間くんはまた、一緒に行きたくないとか言って1人で勝手に行くんだと思う。

高尾「決勝もあるけどもちろん行くっしょ?」

私「うん、インハイの決勝かー。どこが勝つと思う?」

高尾くんに聞くと即答だった。

高尾「まぁ、キセキの世代の優劣はわかんねーけど戦力的に見れば洛山かな。」

私はその言葉を聞いて少し眉間に寄せた皺を抑えた。
高尾君はそんな私には気づかなかったみたいだ。
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