第4章 4話
嫌な冷や汗と悪寒に私は怯えるしかなかった。
高尾くんもこれ以上はさすがにまずいと思ったんだろう。
高尾「山吹ちゃん、ごめん。今日の事はまた違う日に埋め合わせさせて欲しい!!じゃあな!!」
そう告げると、さっさと切符を買って行ってしまった。
残された私は赤司に声をかけることが出来ず、切符を買った後もホームで電車を待っている時も終始無言だった。
それは電車に乗車中も変わらなかった。
今日はたまたま時間が悪かったのか電車は座れずにいた。
私と赤司は隣同士で立ち、お互いの距離は近い。
私が久しぶりの再会で少し緊張し話すことをためらっているのもあるのかもしれない。でもそれも私だけなんだろう。…この人に私の気持ちは届かない。
今もそうだけど、赤司は変わってしまう前から勉強もスポーツもでき、おまけにいろんな人から絶大な信頼を置かれている。…あの頃からずれていた足並みは今も揃わない。…特に今なんて気持ち以外にも本人自身遠くなってしまったんだからな、取り返しがつかなくなってきた。…でももし中学の時、こんな風に今の状態にならなかったとして彼は京都を選んだのかな??
そう思うとあの時、''待ってて''と言ったあいつの言葉の意味が結局なんなのかわからなくなってしまった。
私が悩んで瞑想している間も既に電車は最寄り駅の2駅前に停車していた。
ドアが開けば、またそこから沢山の人が乗車し電車は進む。
赤いTシャツの中年で少しふっくらした体型のおじさんが乗ってきた。その人は私と目が合うと人混みを掻き分け私の後ろに立った。
私は凄く熱い視線を感じてる気がして冷や汗が背中を流れた。
それからは早く着いて欲しい一心で気にしない様に他の事を必死で考えていた。
私のそんな願いも虚しく駅は遠い。
突然太ももに生温さを感じた。その生温い物は手だ。
私のうなじに熱い息を感じ取り、その瞬間肌が際立って私の身に危険を知らせた。
私はしつこく何度も太ももをなで回る手に始めは我慢していた。
しかし、だんだんその手が私のスカートの中に侵入していることに気づいた。
周りは気付いていないのか静かだ、誰かに助けて欲しいけどチカンされてる何て恥ずかし過ぎて言えない。