第2章 2話
私&高尾「緑間(くん)ー!!」
彼は会場の外で門に寄りかかり雨に当たっていた。
緑間「先に帰っていたと思ってたのだよ。」
少ししみったれた顔の緑間くんが年相応に見えて何だか安心した。
私「誰が私を送ってくれるんですか?」
いつも先を歩いていた彼もバスケを通してこんな風になってくれるだろうか。
高尾「そーだぜー、緑間ぁー!!俺が宮地さんに殺されちまうだろ!!」
秀徳ではインターハイは望めないけど誠凛なら可能性はあるかもしれない。
私「こんな雨だし、せっかくだからお店でも入ろうか?」
高尾「いいじゃんそれ!!行こーぜ!!」
緑間「ふん。行ってやらんこともないのだよ。」
私「よし、行こーか!!」
そして歩き出そうとした時。
不意に私の腕が誰かに掴まれた。
高尾「ちょい待って。…俺ので悪いんだけど、ほい。」
彼は着ていたジャージの上着を私の肩に乗せた。
私「いーよ、高尾くんが風邪引いちゃう。」
高尾「いや着ときな。そのままで歩かれたらまずいわ。」
高尾君はどこかそっぽを向いて私と目を合わせない。
高尾「あぁ、もう服な服!!透けてんぜ!!」
私はその瞬間胸元を確認した。
外は暗かったが街灯の明かりではっきり、くっきりと胸元の色気のない水色と白の水色のブラが透けていた。
私「…ごめん。」
高尾「いんや、でもほら真ちゃんが興奮しちゃうからさー。」
緑間「何を言っているのだよ。」
良かった、緑間くんは見えてなかったみたい。
私「早く行こ!!」
高尾「ちょい待ち。…ほらあれ。」
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緑間「高尾さっさと漕ぐのだよ。」
高尾君は彼自身が見つけたリアカーに私たちを荷台に乗せ今全力で漕いでいる。
その速さ秒速25cmくらい。
私「頑張って!!高尾君!!」
高尾「おっけー。て、緑間お前もこげよ!!」
緑間「ばかめ、さっき決めただろう。そこの曲がり角でじゃんけんで負けた方が漕ぐのだよ。だがしかし、今日の俺の運勢は…割愛」
そんなこんなであるお好み焼き店に着いた。