第2章 勘違い//氷室
「はぁっ…はぁ…双子のっ…妹の…話、したこと…あったよね…?」
記憶の端に、いつか言われたような気がした。
そっくりな双子の妹の話。
「あの子っ…本当年上好きで…っ今付き合ってる人も…36歳って…聞いた…」
「ご、ごめん…」
両手を縛られ、涙目になっている彼女を強く抱き締める。
勝手に勘違いして、俺は酷いことを…
縛ったネクタイを解くと、今度は彼女から抱きしめてきた。
「ーーーッ…怖かったよ…」
「ごめん…本当にごめん…」
よく考えれば、彼女が仕事の日に外に出られるわけがない。
どうしようもなく、自分が情けない。
事情も聞かずに苛立ちを彼女にぶつけて、俺は何てことを…
「私…ッ…氷室くんが大好きだよ…ッ…私、氷室くんのものだと思ってるよ…」
泣きながら、彼女は俺を強く抱きしめて耳元で囁く。
「…勝手に勘違いして、酷いことをした俺でも、好きでいてくれるかな…」
「…ッ…うん…」
「真奈美…本当ごめん…愛してる…」
「あ…あの…」
だいぶ落ち着き、繋がったままになっていたことに気づいた彼女は顔を赤らめる。
俺は小さく笑う。
…止められなくなるじゃないか…
「…お詫びを込めて、今からたくさん気持ちよくさせてあげるからね…」
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end
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