第2章 ♪楽しい日常生活♪
「ただいま~♪」
「おー百合お帰り!用足しって何だったの?」
「荒木先生にプリントを取りに来るようにって
言われててね!先に配っておくようにだって!」
「じゃあ私達も配るの手伝うよ!ね、舞耶?」
「勿論!百合、プリント少しわけて!」
「う~ん、少し悪いけど......じゃあ、お言葉に甘えて!」
「「りょーかい♪」」
2人にもプリントを渡し、前の席の人に列の人数分の
プリントを配る。
クラスでは学級委員長も務めているので毎日が忙しい。
でも、楽しいのだ!♪♪
ちなみに渡されたプリントは授業参観のお知らせ。
授業参観、か......私のとこ、
親がいないからな......。
私とお兄ちゃんのお父さんは
私が生まれた頃に離婚しちゃって、お母さんは......
私達を施設に入れたままどっかに行っちゃった......。
だから、親の顔はほとんど覚えていない。
(私のお父さんとお母さんって...
どんな人だったんだろう......。)
お兄ちゃんに、
お父さんとお母さんはどんな人だったかって聞いても...
はぐらかしてばっかりで全然わかんないんだよね......。
「百合?......どうしたの?
顔色、急に悪くなったけど......。」
明日香が心配そうに顔を覗かせながら言う。
「っ大丈夫だよ!ほら、私のとこって親がいないじゃん?
だから羨ましいな~って......。」
「......そっか、百合のとこって
両親いないんだよね...大丈夫?授業参観の日...。」
「大丈夫だよ(笑)親がいない授業参観なんて小学校の時から
ずっとだし!」
「......なら、いいんだけど、何かあった時は
いつでも相談してね?私も舞耶も相談に乗るから!」
「うん!ありがとう!」
ごめんね明日香、余計な心配かけて......。
確かにお父さんとお母さんがいなくて少し寂しいけど、
今は学校の皆やクラスメイト達、それにお兄ちゃんや
徹平兄ちゃんや和真君もいる...だから、
少しも寂しくなんかないよ?
「ねぇ百合!また歌番の話しよ!」
「うん!」