第1章 及川徹 こっち向いて
同じバレー部の岩ちゃんやマッキー、まっつんとは仲良いのに、俺は彼女のことをなんも知らなくて、仲間外れにされたみたいな気持ちになりちょっと複雑
「言わないから、あんまあんなことしないほうがいいよ」
「ヤキモチ?」
「なんで今日初めて話した好きでもないヤツにヤキモチしなきゃなんないよの…」
「そっかー」
“好き”は今まで数え切れないほど言われた。でも“好きじゃない”なんて言われたこと初めてだ
「オイ」
「「あっ、岩ちゃん!!」」
声が重なる
「お!!ほのかも来てたのか」
「うん!!」
(―あ。笑った)
そう言えば、彼女の笑顔を見ていないことに気付く
(岩ちゃんのことが好きなのかな)
直感的に思った。
だって、俺が呼んだ彼女の名前。岩ちゃんが呼んだ彼女の名前。同じ言葉のはずなのに、こんなにも反応が違う
屈託のない笑顔で笑う君を見つめながら
「頑張れ」
そう呟いた